2日目その2 宮崎山中の酷道を満喫 〜 百済の里 日向岬 編
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小林〜西米良間のR265、本番は田代八重ダム以降でした。ここまでは単に狭い道というくらいでしたが、はっきりわかるような路面の変化です。
春だというのに落ち葉が結構あります。

また、離合できる箇所がさらに少なくなったため、車で鉢合わせしたら、かなりバックしなければならないでしょう。
ただ、沢沿いルートが続くため、開放感があり気分よく走れます。
舗装が荒れている箇所が所々に見られます。
尾股峠です。これと言った表示など何もありません。


このちょっと先でバイク(BMW)とすれ違いました。小林からの酷道部分では初めて、結果的に美郷町に入るまででも唯一の対向車となりました。

こういう酷道・険道系を走っていて、BMWと遭遇する率は相当高いものですが、ハーレーは低いどころかゼロです。これまで一度も出会ったことがありません。まぁ言うまでもありませんけどね。
正に秘境のまっただ中という眺めです。
二車線になったら、もうあと少し。
R219との合流点に到達。

ようやくR265全線走破を達成です。



ここからは次なる酷道388へ向け、右折をし、西米良へ。
西米良到着。2年ぶり二度目です。
西米良以降のR265は酷道とは言え、路面がきれいでペースが上げられます。

ただ、2年前に通ったときは季節が違った(9月末)こともあり、路面上に葉っぱや砂利、地下水があちこちで散らばっていて、今回とは相当印象が違いました。酷道をより快適に通りたいなら春の方が適しているようです。この翌日通った六峰街道でも昨秋とはまるで違う印象でした。
この分岐から右に入り、R388の未踏部分に突入します。

左側はR265と388の共通部分が4km弱あり、比較的走りやすいです。その先椎葉向きのR265は北側のハイライト部分です。2年前のレポートを参照下さい。
三叉路に百済の里への案内板がありますが、41km先という気の遠くなるような距離です。
R388は比較的走りやすい路面状態の部分が多く、割とハイペースで走れます。ただ、秋だとまた違った状況なんだろうと思います。

新緑のトンネルがきれいです。
大河内越に到着。

ここは三方岳への登山口でもあり、周辺は九州大学の演習林(どういう演習かさっぱりイメージできない)になっています。

演習林についてざっと調べてみましたが、それでもよくはわかりませんでした。森林計画学実習で植栽密度試験地があり、計測実習をやったことが今年3月の演習林通信に書かれていました。
酷道部分は延々と続きますが、そろそろ美郷町が近づいてきています。
ようやく人家が現れました。いよいよ酷道の終わりも近い・・・
と思ったら、これがなかなか終わらんのであります。

普通は酷道部分を抜けるとホッとするもんですが、これだけ長い距離を走ってくると、「あぁ、もうすぐ酷道が終わってしまうんだ」と少し寂しい気持ちになるものです。
川幅が広がってきたので、いよいよ本当に最終盤でしょう。
酷道部分が終了しました。すきむランドを出て、酷道部分に突入してからおよそ3時間半。その間、同方向車両は車が2台、対向車はバイク1台のみでした。

2車線になった途端に超がつくほど快走路になるR388。
森の駅きじのという施設で休憩。きれいな新しそうな施設ですが、売店は休業中。自販機とトイレのみが稼働しています。

ここで2個目のおにぎりを補給。時刻は14:30になっています。

ちなみに「きじの」という地名は「鬼神野」と書きます。そして、これから向かう百済の里があるのは神門(みかど)。このあたりは何らかの神域なんだろうかと思わせるような地名です。
森の駅きじのから10分ほどで百済の里へ到着。

左が神門神社、右が百済の館で、西の正倉院はその奥にあります。
案内板の順路通りにまず神門神社に参拝します。
歴史を感じさせる社殿です。

平成10年にこの裏の本殿の建物調査をした際、1006本もの鉾が天井裏から発見されたということです。それらは全て西の正倉院に展示してあります。
また、国内でも三指に入るという33面もの銅鏡も伝世されていて、こちらも西の正倉院に展示されています。

何でこんな辺鄙な所に歴史の深い貴重なものがずっと保管されてきたんでしょうか。大分の国東・宇佐エリアで感じるような、ミステリアスな感覚を抱いてしまいます。
そして西の正倉院です。百済の館との共通チケットで500円です。チケット売り場のおばちゃんに簡単な説明を受けて門をくぐったところにどーんと現れるのですが、写真を1枚撮った後しばし絶句し呆然と眺めてしまいました。眺めているとチケット売り場のおじさんがやってきて色々と説明をしてくれました。

おじさんの説明によると、これは奈良の正倉院と寸分違わぬサイズで、総工費16億円(坪1000万円)の総檜造りだそうです(檜は木曽より調達)。平成8年完成なので現在築17年です。宮内庁との交渉に一番苦労したんだそうです。

奈良の正倉院は教科書で見たことがありますが、もっと小さいものをイメージしていました。しかし実物大の迫力はもの凄いです。
しかし、レプリカとは言えこんな立派でしかも内部を見学することが出来る施設がマイナーなまま埋もれているのはもったいない限りです。連休合間の平日とは言え、1時間近く見学している間、ほぼ貸し切り状態で、帰り際にやっと次の見学者であるカップルがやってきたくらいですから。
写真では想像できないでしょうが、床柱の高さは2m50cmもあるんです。私の目の位置で撮影して床の裏面がしっかり見えるということで、意外と高いというのが分かるかと思います。もちろん全くかがんだりせずに床下を歩くことが出来ます。かがむどころ思い切り飛んでも頭を打つことさえ出来ません。

ちなみに直径は60cmあり、総数は40本、1本あたり約400万円だそうです。
内部は土足禁止なので、入り口でスリッパに履き替えます。

内部は撮影OKでした。写真中央の柱状案内板の奥に見えるのが1006本の鉾です。こちら側は建物に入って右側です。
奥には銅鏡が展示してあります。

建物入って左側の部屋には大きなスクリーンがあり、日本語・韓国語それぞれでこの土地に長く伝わる師走祭りについての17分間のビデオが再生されます。券売所のおばちゃんに「ぜひ見て下さい」と言われたので途中まででもと見始めましたが、最後まで引き込まれるように見てしまいました。

非常にユニークで歴史の深いお祭りで、機会があれば実物を見てみたいと思いました。今はすでに失われている韓国の文化・風俗がこの祭りの中に生きている部分もあるらしいです。
《師走祭りの概略》 詳細はこちらで

畿内地方に住んでいた百済の王族が壬申の乱から逃れて二艘の船で瀬戸内海を西へ逃れていたが嵐に遭遇し、父は日向に長男は高鍋あたりにたどり着いた。父はこの地(神門)に祀られ、長男は木城町の比木神社に祀られた。年に一度師走の時期に長男の魂であるご神体を神職以下18名が捧げ持ち、二泊三日で神門を訪れます。神門神社からも途中まで迎えが出て東郷町の伊佐賀神社で合流。そこで神事や酒宴が行われる。翌日には二つの神社の二人の神職のみで行うご神体のお衣替え神事や、日付が変わる頃まで続く神楽が行われる。三日目にはユーモラスなお別れの神事を経て祭りが終了する。
百済の里の最後に百済の館を見学します。

百済があった韓国の扶余(プヨ)の王宮跡に建つ客舎(迎賓館)をモデルに復元されているそうです。
壁や柱には韓国の木造建築独特の丹青(タンチョン)と呼ばれる彩色が施されています。韓国から職人さんが来て、作業をされたんだとか。
瓦や建物前に敷き詰められた石版は韓国から取り寄せられたものです。
こんなピカピカの床なのでためらっちゃいますが、こちらは「靴のままどうぞ」という案内板があります。
内部にも丹青。何ともきれいな色です。

美郷町は扶余と姉妹都市になっているそうです。西の正倉院に韓国語の案内ビデオがあるくらいなので、韓国からの観光客が多く(たまに)来るんでしょう。
百済の里から5分ほど山道を上がったところに恋人の丘なる展望公園があります。

写真は駐車場横にあるおまけの展望台で、大した眺めではありませんでした。
こちらがメインの展望台。こちらも百済風です。
こちらもちゃんと丹青が施されています。
神門の町が見下ろせます。
恋人の丘というだけあり、お約束の南京錠コーナーもあります。

横の案内板によれば、ここと日向岬のクルスの海、延岡の愛宕山を訪れることにより恋愛成就を祈願する、「ひむかラブラブプロジェクト」ってのがあるんだそうな。
この恋人の丘での最大の謎はこの野外ステージ。ここで何かイベントやるんだろうか?でも、荒れた様子もなくきっちり手入れが行き届いています。
まだ時間があるので、日向岬へ向かいます。
気持ちは米の山の方からアプローチするつもりでしたが、北岸ルートになってしまいました。そのおかげで細島観潮所を見ることができました。

以前テレビだかネットでだかで見た記憶がありますが、詳しいことはよくわかりません。
GWのツーリングをしているとあちこちで見られる鯉のぼりですが、海辺では初めて見た気がします。
日向岬へは2004年以来で二度目です。
9年ぶりということで、前回の教訓をすっかり忘れて起伏の激しい方のコース(上写真のトイレ脇に入り口がある)でアプローチしてしまいました。
天気と光線具合のせいで、海の青さが尋常じゃありません。
馬が瀬の谷の方。9年前のカメラでは1枚に収まりませんでしたが、G11のワイドレンズなら大丈夫でした。
馬が瀬の尾根の方。この年齢になると、9年ぶりぐらいじゃあんまり久しぶり感ってないもんです。
ひむかラブラブプロジェクトに乗っかったわけじゃないんですが、クルスの海にも寄ってみました。
ここに南京錠コーナーがないとは意外でした。
海沿いルートは南国ムード満載です。これぞ宮崎って感じです。

とは言え、今日は朝からずっと宮崎県内を走り続けていたんですが、ずっと山中の酷道ばかりでしたから。山中の酷道こそ「これぞ宮崎」と感じられるようになったら一人前なのかもしれません。
2日目のルートです。宿泊地は延岡ですが、ポイント数が足りずに日向までしかありません。


2日目の宿泊地は延岡で、宿はいつもの延寿荘。平成22年の年賀状兼割引券の有効期限が今年の7月までなので、また今回も持ってきました。

昨日の宿は和室・洋室が選べたので和室を選びましたし、延寿荘は基本和室です。最近年齢のせいなのか、ツーリングの時はできれば和室がいいと思うようになりました。多くの荷物をバーンと広げられるのがいいです。洋室だとベッドの上と小さな机の上くらいですからね。ただ、実際にはビジホで和室っていうのはそうそうないんですよね。あったとしても、凄く古かったりして。

宿到着前に延岡市街で給油。燃費は36.1km/Lでした。酷道の割りには立派です。

宿への到着は18:30。荷物を下ろして買い物に行き、戻ったら19:00でした。2日目の走行距離は236kmでした。さすがに酷道メインだと距離が伸びません。初日からの累計は548kmです。
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