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今年、阪急交通社から\5550の日帰り広島フリープランという企画商品が発売されました。去年出雲大社に行ったプランの広島以降を全て省いた、新幹線往復のみというシンプルな企画です。しかも広島での滞在時間を8時間以上確保してあるので、呉や江田島、尾道あたりまで足を伸ばすことも可能です。最初は一人で尾道散策をしようかと考えていましたが、カミさんも行けるようになったのと、一時はキャンセル待ちになっていた土曜分に空きが出たタイミングが重なったので、とりあえず申し込み確保をしました。

尾道プランだと広島からの往復にJRで3時間を要するものの、現地で6時間が確保できます。呉・江田島プランはJRでの移動が30〜50分、大和ミュージアムとてつのくじら館だけでは間が持たないため、レンタカーを借りて江田島の第1術科学校を見学しようというものです。そしてもう一つは安直ですが、先日の「ブラタモリ」の影響を受けての宮島プランです。

1週間前からの週間予報ではずっと「曇り時々雨」となっていたので、雨の影響が少ない呉・江田島プランで決定かと思いきや、前日に予報が「曇り30%」に変わりました。行ったことのない尾道の方が魅力大ではありましたが、ブラタモリの影響を色濃く受けた我々は宮島を選択。前回訪問から26年も経っていますし、安岐国一の宮である厳島神社の御朱印は是非とも我が御朱印帳に収めたいというのは前々から思っていたところでもあります。そして、前回ロープウェイまで乗ったものの、弥山山頂まで行かなかったという中途半端を払拭するという大きな目的もあります。
日帰り格安プランならではの早朝出発ゆえ、集合時刻6:40の博多駅は夜明け前です。受付カウンターで往復チケットと広島電鉄一日乗車券の引換券を受け取ったら後は全て自主行動、添乗員さんは付きません。

7:09発のこだま732号(500系)に乗り込みます。指定席の座席は広々としています。(写真は反対側ホームの車両です)

さて、予報ですが、当日朝になっても広島は「曇り30%」のまま。福岡では降っていますが、出発時点では関門海峡より東では降っていないようです。ただ、その後中国地方にも雨雲が広がるという雨雲予想にはなっている一方で、予報はあくまでも「曇り30%」なのです。
ラジコでKBCラジオを聴いていたらあっという間に広島へ到着(8:52)。ただ、予報では9〜10時は止むはずだった雨はずっと降り続いています。この時点での予報では11〜12時くらいに雨雲が取れていくらしいのですが、またその時間になったら・・・。

駅の通路もカープの祝勝ムードに湧いています。まさか申し込んだ日が日本シリーズの初戦がここ広島で開催される日だとは思ってもみませんでした。カープのリーグ優勝は25年ぶり。26年ぶりの宮島行きと何か因縁があるような・・・と勝手に思っちゃってます。
宮島口まではJRでの移動を考えていましたが、ひとまず一日乗車券の引き替えをしようと広電の窓口へ。こちらでは使わないはずだった折りたたみの傘を再び広げなければなりません。
引き替えられるのは「一日乗車券(\600)」。これをキャンセル(払い戻し)して「一日乗車乗船券」に替えてもらいます。これで宮島へのフェリーにも乗れますし、宮島でのロープウェイの割引にも使えます。
宮島口へ早く着いても雨が止まなければ仕方ないので、あえて時間のかかる広電で移動することにしました。早速一日券を活用します。(写真は帰りに宮島口で撮影)

始発の広島から終点の宮島口まで乗りましたが、西広島までは路面電車、その先は専用軌道になり普通の私鉄みたいな感じです。後半は路面電車でもこんなにスピードが出せるんだってちょっと驚きでした。
1時間10分程度で宮島口へ到着。雨は止むどころか弱まりもせず降り続いています。こうとわかっていれば呉プランを選択していたのに、と暗澹たる気分になります。しかし、ここまで来てしまった以上もう腹をくくっていくしかありません。

宮島は26年ぶりですが、宮島口まではあなご飯を食べに2008年と2012年に二度来ています。

一日券が使えるのは左側の松大汽船の方です。所要時間も便数も料金もJRと同じなんだそうです。
写真は帰りに撮ったJRのフェリーです。
四半世紀ぶりの宮島。

世界遺産となったことや、外国人観光客が増えた影響なのか、結構な雨なのに、なかなか凄い賑わいです。
早朝出発だったので、先に食事を済ませることにしました。予習しておいたお店のひとつの「いな忠」に入ります。観光地だけに全く期待してませんでしたが、意外にも美味しかったのです。これが三度目のあなご飯ですが、もう一度どれかひとつを食べるなら私は迷いなく「いな忠」です。
福岡でも浴びるほど食べられる牡蠣ですが、本場広島ということでスルーできませんでした。さすがに専門店、焼き具合が絶妙でした。

空腹に負けたのと、人混みと雨にめげたので早めの食事にしたのですが、結果的には大正解。店を出る頃にはどの店にも入店待ちの列ができていましたし、その分人通りが少なくなっていました。
少なくなったと言っても十分に多い観光客。欧米系の外国人観光客をよく見かけました。
名物の鳥居は片足を治療中です。
厳島神社回廊に入ると屋根があるのでひと安心です。雨粒が映り込むほどの降り方です。今日の予報は完全にアウトでしたな。何が曇りの30%じゃ!

帰ってから前回の写真を見てみましたが、とにかく人が少ないこと。写真にポインタを当てると、当時回廊で撮った写真が出ます。こんなこと今では考えられません。
平舞台・高舞台へは傘を差さないと行けませんのでパス。

前回ここで撮った写真にも、他にだ〜れも写ってませんでした。
念願の安岐国一の宮の御朱印。

これだけの参拝者がいるわけですから当然御朱印を頂く所にも列ができているわけです。私が並んだときには前に10人程度が並んでいました。参拝者が多い伊勢神宮や出雲大社、霧島神宮では実に手早くさばいていくのに感心した(ほぼ墨書きがなかったりもするが)んですが、こちらの厳島神社は効率を求めず、御朱印に三人を投じ、一人に二分程度をかけて対応して下さいます。並んでいるときに三人の中の一人が交代されましたが、私が見る限り墨書きの巧みさ 極上一名 上二名 並一名でした。ちなみに私の頂いたのは「上」です。

こんな罰当たりなこと言ってるから雨にたたられるんでしょうねぇ。
まるで記憶になかった「反り橋」。

どうして勅使にこんな危険なルートを通させるのか、あれこれ勝手に想像をしてしまいましたが、中央に階段を設けていたということでした。

参拝順路出口を出ると、正面に大願寺がありますが、まずは山の方にある大聖院へと向かいます。
厳島神社周辺は凄い賑わいでしたが、大聖院まで行く人はほんの一部のようで、とても静かな雰囲気です。

とても立派な楼門をくぐると・・・
そこそこ長い真っ直ぐに伸びた階段へ。
階段脇にかわいらしい五百羅漢。
そして山門。
山門をくぐって、右手にある大きなお堂は観音堂。ここからお参りします。
お堂の正面に控えめなこの表示。戒壇めぐりって、例の暗黒のやつでは・・・。
お堂の上に床下への入口があります。

下まで下りると左側に暗幕があり、それをめくって中に入ると、とにかく真っ暗でなぁ〜んも見えません。手探りで少しずつ進んでいくと右への曲がり角があり、右へ曲がると・・・
壁にうっすらぼんやりと仏様の姿が浮かんでいます。しかしながら、この空間が暗黒の世界であることは変わらず、壁も床も天井もさっぱり見えません。

その後再び進路は右へ。入口はお堂の左側でしたが、右側の同じような出口に出てきました。ここまで光が皆無という状況はなかなか経験できません。
山門をくぐって正面にあるのが本堂にあたる勅願堂。
ここにはご本尊である波切不動明王が安置されています。
本堂に上がる階段の両側に見事な仏像が並んでいます。リボルテックタケヤも凄いですが、本物の迫力は比べものになりません。
御朱印を頂きました。
少し雨が弱まったので、奥の方にも行ってみます。写真は摩尼殿へと続く石段です。
離れたところから見た摩尼殿。遠目に見ても造りの精緻さが感じられます。
こちらは多分、阿弥陀堂だったと思います。
一番上の大師堂まで上がったところから摩尼殿方向を振り返ったところ。紅葉の時期はとてつもない眺めになることが想像できます。

大師堂は撮り忘れてましたが、この頃には傘を差したまま片手での撮影にもすっかり慣れてきました。
大師堂の下は遍照窟という、四国八十八ヶ所の本尊が安置された場所になっています。
遍照窟の内部の様子。

大聖院は見所満載でした。大聖院を出るとき、明らかにこれから徒歩で弥山に向かうとわかる一行が山へと向かって行きました。この雨の中凄いなぁ。
下に戻って大願寺へ参拝します。
ここは厳島神社のすぐ横なので、参拝客が多いです。
例によって先に御朱印をお願いしてから参拝しようとすると、先に参拝するように言われました。寺務所の受付脇には、昨今の御朱印ブームにより、スタンプラリー化しつつある風潮に対する注意書きが掲げてありました。というわけで、参拝の後に改めてお願いし、頂きました。

参拝が先、という原則は重々承知していましたが、スムーズに事が運ぶこともあり、最近はほぼ先に御朱印帳を預けてから参拝していました。寺院の場合、ご納経の証という意味合いもある御朱印ですから、今後は肝に銘じておかねばなりません。


本来はこの後、弥山へ向かうところですが、雨雲は山裾にまで垂れ込めています。ロープウェイで上がっても雲の中で真っ白であることは明白なので、弥山はあきらめて渡船場へと向かいます。
帰りは賑やかすぎる表参道商店街を避けて、ひとつ山側の道を辿ることにします。

こちらは比べものにならない位静かです。
千畳閣裏手のトンネルを抜けて、町家通りへ。
お店は少ないですが、所々に風情のあるお店があります。


また雨が強くなってきました。結局、朝からずっと降り続いています。
大聖院でも感じましたが、観光客の多くが一極集中していることがよくわかるこの光景。比較のための表参道の写真があれば、と思いましたが、とても傘を差しながら写真を撮れるような状況ではありませんでしたから。
洒落たお食事処。こんな外観ですが、パスタメインのようです。
二つ目のトンネルを抜けると桟橋の正面に出ます。
広島へ戻るにはどう考えても早すぎますが、これ以上雨の中歩き回る気力もなく、とりあえず宮島口へ戻ることにします。
乗船するのは14:00発の便。10分間隔で出ています。
島を離れる段階でも雨雲はこんな様子。何となく生涯最後の宮島訪問になるような気がしていましたが、弥山への未練が大きすぎるため、近々また来てしまうような気がします。日帰り\5550企画さえあればいつだって気軽に来られるはず。
宮島口に戻ってきましたが、広島へ向かっても時間を持て余しそうなので、駅前のくつろげそうなカフェでしばし休憩。
宮島でも見かけた伊都岐珈琲。チェーン店かと思ったら、宮島に四軒と宮島口に一軒というローカルチェーン店なんだそうです。ここでは八天堂のクリームパンもあるんです。初めて頂きましたが、シュークリームのようなクリームパンでした。クリームはあっさりしているので、二つ・三つでも余裕でいけそうな感じがしました。

二人とも珈琲をおかわりして40分くらい寛がせて頂きました。
カフェの窓から正面に広電宮島口が見えています。
帰りは新型の車両に乗ってみたかったので、目当ての車両が入ってくるのを待ってカフェを出ました。
不思議な座席配列で、一席ずつの対面あり、横並びは一席・二席・三席・四席と色々。低床式でホームと同じ高さです。行きがけに乗った車両はホームからさらにこれだけの高さがありました。

写真ではこんな具合ですが、帰りの広電は結構な賑わいでした。特に西広島を過ぎてからカープのユニフォームを着た人が続々と乗り込んできます。そして、その方々が持っているバッグ類もカープのロゴが入ったものが多く見られました。
広電車内ですっかり日本シリーズの雰囲気に飲まれ、その後歩いた地下街では柱毎にこのようなポスターが貼られています。右奥からはカープ女子が歩いて来ているのも見えます。広島駅周辺で二時間半をどう過ごそうか、悩んでいましたが、方針が決定しました。
雨の中、日本シリーズの雰囲気を味わうためにマツダスタジアムまで行ってみることにしました。
途中にあるローソンが赤かったのには驚きました。
そして、戦いの舞台であるマツダスタジアムへ。外からチラッと客席の一部が見えるあたり、近づいて行く時のわくわく感が盛り上がります。さらに、アプローチ通路の左側には室内練習場があり、通路側の一部がオープンになっていて、球場に行く途中にちらっと練習の様子が見える配置になっています。これぞボールパークって感じです。

ヤフオクドームは確かに素晴らしいですが、巨大な円筒形のビルに近づいて行く感じはあっても、球場に近づいて行くこの独特な感覚は味わえないと思いました。
以前一度だけ、2003年にホークスVSタイガースの日本シリーズを球場で観戦したことがあり、その時のことを思い出しました。
カープ坊やの巨大な人形が見えました。カープファンは雨の日にもちゃんと赤い雨具を身につけて観戦するんですね。
十分雰囲気を堪能したので駅に戻ります。途中、日ハムのユニフォームを着た人を三組くらい見かけました。
駅へ戻る途中にあるフタバ図書と広島駅のコンコースでカープグッズを売っていましたが、黒田のユニフォームを買っても仕方ないし・・・。駅周辺のカープグッズ店を検索し、福屋9Fと新幹線口の店へ行きました。

写真は福屋店内の吹き抜けに掲げられていた巨大な垂れ幕。やっぱり25年ぶりって広島にとっては大変な出来事でしょう。
二店でこれだけお買い上げ。下の赤いのはトートバッグ大・小です。


帰って調べてみたところ、広電車内や駅周辺で見かけた色んなバッグ類はそのほとんどが限定品で現在では入手不能のものばかりでした。


結局ずっと降り続いた雨の中、宮島の弥山にこそ行けなかったものの、それなりに宮島も楽しめましたし、何より日本シリーズ初戦に湧く広島の空気感を十分に堪能できた、貴重で楽しい旅となりました。
朝、博多を出てから11時間59分後の19:08発のこだま751号で福岡へ。

今回、宮島への移動を往復とも広電を使ったわけですが、時間が足りずにバタバタすることなく、むしろそれでも時間が余ってゆっくりできた位でした。時間があっても人間の方が先にエネルギー切れを起こしてしまいますんで。
ということは、広島からの移動時間がほぼ変わらない尾道も千光寺を中心とした七仏めぐりくらいなら十分今回のプランでいけそうです。
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