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昨年末のしまなみクルーズはしまなみライドへの呼び水にはなりましたが、クルーズ旅としては実質2泊1日という非常にあっさりとしたもので、物足りなさを感じていたところに次の博多発着の案内がきました。今回のコースは喜界島・種子島・屋久島の3島を巡る3泊4日です。一度も行ったことがない場所ばかりなので、申し込むことにしました。

受け付け当日、開始時刻になると途端にサイトにアクセスできなくなりました。申込内容の入力ができるようになるまで2時間。ただし最後の「送信完了」ができません。3時間格闘しましたが、降参してTEL申し込みに切り替えましたが、すでに「キャンセル待ち」。大いなる虚無感に包まれましたが、18時過ぎに「確保できました」との電話連絡が入りました。リアルタイムでビシバシ決まっていくシステムではないようですが、確保できたのでまぁよしとしましょう。
参加メンバーは例によってカミさんと母との3人連れ。いつものようにクルーズセンターに赴いたのですが、係の方から「箱崎ふ頭への連絡バスは国際ターミナルから出ますよ」と言われ、600m歩いて戻ります。
中央ふ頭には天津拠点のメディテラネアというクルーズ船が到着したばかりでした。2000人の乗客を乗せるため50台近くの観光バスが待機していました。

国際ターミナルはコロナ前の母の一人クルーズの際に送ってきた時以来です。
10分もたたずに呼び出されてバスに乗り箱崎ふ頭へ。

4号岸壁の税関検査場でいったん待機となりますが、ここでも10分もないくらいで乗船の順番がきました。
これまでは乗船手続きをしてから乗船という流れでしたが、今回は乗船後にロビーで乗船手続きを行いました。
これまで見たことのない超絶地味な出港風景です。
和太鼓や楽団の見送りはなし。それでも8人のおじさま方が手を振って見送ってくれました。
部屋はこれまでと同じスーペリアツイン。ですが4Fの部屋は初めてです。窓の位置が部屋の中央からずれています。また、窓の外はプロムナード・デッキという通路があるため、気が抜けません。ドルフィンホールが近いのはいいんですが、2F、3Fの方がいいと思いました。
前回は冬の夕方出港だったのですぐに暗くなりましたが、1年ぶりくらいに昼間の航海を堪能できます。
早速最初のイベントである輪投げに参加。

公式競技のと同じサイズのものを購入し、しっかり練習してきたんですが、その成果はこれっぽっちも出ませんでした。

前回は私もカミさんも商品をGETできましたが、今回は散々でした。5本投げて19点以上で得点に応じて賞品がもらえます。商品は下からクリアファイル(A5)、タオルハンカチ、フェイスタオル、Tシャツ です。
スポーツデッキはなかなかの強風でした。
船の近くに鳥の群れがいました。

最初カモメと思ったんですが、顔も羽もシャープなシルエットなので、写真を撮ってGoogle Lensで確認してみると「カツオドリ」という鳥でした。ぱっと見ペンギンに見えなくもない、CHUMSのマークの鳥です。
輪投げ後はAPPライヴ。前回と違った曲が3曲ありました。ジャコ・パスのThe Chickenとかなかなかマニアックです。

夕食では今回から庶民の2Fレストランでも航海中一度だけ上級民の6Fレストランと同じローストビーフがふるまわれるようになりました。ありがたいことです。

夕食後は柳家三之助の「酔っ払い」でした。初めて聞く噺家さんでしたが、たっぷりまくらで楽しい落語でした。
朝食では定番のカレー、スープ、サラダ、野菜スープ、プラスαという内容で3回とも通しました。

しかし、スープに関しては7Fリドテラスにあった「椎茸と冬瓜の中華スープ」が最高でした。
2日目午前中、まずは「ホースレースゲーム」に参加。

前回母が的中させて商品を獲得しました。私らは同じ時間帯にデッキゴルフに参加していたため、今回初参戦です。
結果は3人とも全滅。特に第3レースは3人合わせれば50%の可能性でしたが、それでもダメでした。
実にいい天気です。旅行前もずっと雨が降らず、最終日以降も晴れ予報ですが、メインの島めぐりの2日間のみ雨予報という罰ゲームのような状況となっております。特に3日目の種子島・屋久島の日は線状降水帯による災害的豪雨も予想されているとかいないとか。
昼前に早くもビンゴゲームが開催されます。
前回はパーティグッズでよくある紙のビンゴシートでしたが、今回はこんな立派なボードが配られました。

前回は母は一番人気のキャプテンテディを獲得、カミさんはリーチまではいったものの撃沈、私はリーチにさえ至りませんでした。

下段左が1ラウンド。たった4か所しか空きませんでした。右が2ラウンド。2か所リーチがあるように見えますが実質は1か所。ここまでで終了。残りの2名も撃沈し、終了。

前回輪投げ、ホースレース、ビンゴでいずれも賞品獲得できた我々3人組でしたが、今回はゼロ。前回はいわゆるビギナーズ・ラックだったとしか言いようがありません。
例によって朝食をしっかりと頂いているので3人とも昼食はパス。多くの乗客が下船前の昼食会場へと向かっているため、7Fのリドテラスはがらんとしています。

初回以来1年ぶりにショコリキサーを頂きました。
午前中は晴れていましたが、喜界島は海沿い以外雲の中という感じになっています。何とか降らずに済んでくれれば雲の中くらいどうってことはありません。
喜界島の湾港(わんこう)への入港直前の図。

テントは出ていますが、特に歓迎のパフォーマンスはないようです。個人的には歓迎イベントがあるから感激した!ってことはありませんが、全くないというのは今回が初めてなので(博多港での出港時も)、何とも物足りないような感じがしないでもありません。

湾港という珍しい呼び方だと思っていた所、「湾」というのがこのあたりの地名でした。湾にある港ってことでの湾港なわけです。
例によってオプショナルツアーではなくレンタカーで島内をまわります。上五島での反省を生かすべく2日前に電話を入れて詳細を確認しておきました。こちらの業者さんはしっかりと待機して出迎えて下さいました。

今回の旅のお供は日産デイズです。

免許証を部屋に忘れていて取りに戻るというハプニングあり。
まずは外周の県道を反時計回りに進んで島西側にある手久津久(てくづく)のガジュマル巨木へ。

数台分の駐車場とともにちょっとした公園のようになっていますが、他には誰も来ていません。

私とカミさんは喜界島は初めてですが、母は初めてにっぽん丸に乗ったときに一度訪れています。その時はオプショナルツアーでしたが、百之台展望台とさとうきびの一本道しか記憶に残っていないそうです。
初めて武雄神社の大楠を見た時のような、妖精とかそんな何かの気配が感じられるような気がしました。これは現物じゃないとニュアンスは伝わらないでしょう。
さらに進んで島中央南部、阿伝(あでん)集落のサンゴの石垣へ。

観光ガイドらしき人たちが数人待機していました。間もなく観光バスが到着するという連絡が入ったとのことでした。

雨がパラパラ、と思ったらそれなりに降り出したので、さっさと移動します。
その後早町集落あたりまでの海岸線ではずっと降っていましたが、さとうきび畑が広がる高原地帯まで上がってくると雨は降っていません。下から見たらきっと真っ白な霧の中みたいな状況だろうと想像していましたが、この程度でした。

レンタルバイクで島内を観光していた感じのいい若いカップルが繰り返しジャンプ写真に挑んでました。

ここが島内で最も有名なスポットらしいです。
せっかくなので近くにある「魔女の木」へ。こちらもガジュマルです。

観光スポットの中でもマイナーなようで、駐車場なんかありません。でも、しばし車を停めていても全く問題は生じませんでした。
幹のこんな状態も魔女っぽさを醸しているんでしょうか。
おそらく島内で2番目に有名な百之台公園へ。

私込みで4組の観光客が来ていました。そのうちひと組は先ほどのジャンプ写真カップルです。今日一番賑わっている観光地です。
一本道周辺より霧が濃くなっています。
りっぱな展望台です。
上からの眺め。崖下は真っ白です。
晴れていたらこんな絶景なんだそうな。残念!
島の北側に抜ける途中にアサギマダラ観察地があります。

もっと狭い道かと思っていましたが、思い他広かったうえ全く他の車を見かけないので、下りて少し歩いてみました。
写真には当然写ってはいませんが、このあたりにたくさんの蝶がひらひらと飛んでいます。アサギマダラらしきものは1匹だけ見ることができました。あとはアゲハ系が多かったように思います。
ネット予習でも散々見たこの標識、やっぱり撮らずにはいられませんでした。
城久(ぐすく)集落にある保食神社。独特の風情だったので思わず車を停めました。

保食神社というのは全国的にも多くあり、一般的には「うけもちじんじゃ」と読みますが、喜界島では「ほしょくじんじゃ」と呼ばれています。喜界島には神社が48あり、そのうちの20が保食神社です。
城久集落の神社の反対側にあるトゥヌムトゥ公園。晴れていればここからの眺めもかなりいいらしいですが、相変わらずこんな感じです。

ブランコには一応ちょこっと乗っときました。
ラストは島の水がめであるダムの見学へ。

予習してきたとおりに喜界土地改良区の建物へ。
事務所に見学希望を伝え、名前と人数を記入します。

ちなみに見学可能なのは平日のみ。8:30〜11:30と13:30〜16:00です。ダムカードは以前あったようですが現在はなく、追加で作る予定もないそうです。
ダムは珍しく地下にあります。この建物から入ります。
ここから下ります。

長い階段に不安のある母はパス。
最初の踊り場から下を覗いた様子。
階段はこんな感じ。

長いっちゃ長いですが、とてつもないこともありません。ビル3〜4階分ってとこでしょうか。
トンネルに到着。

豪雨対策の貯水トンネルではないので、ここに水が貯められるというわけではないようです。ざっくり言うとこのトンネルの側面と下あたりにある多孔質石灰岩層に水が貯められているらしいです。ダムの堰堤にあたる壁の一部がスケルトンで見えるようになっています。

床面はほぼ水たまりで端っこしか歩けません。我々は何となく奥まで歩けそうな右側をチョイス。
トンネル中央部に側道があり、その奥の階段から地上に出られます。

しかし、側道はトンネルの左側でした。
水たまりを進んでいくつもりも、スタート地点まで戻ってリベンジする気もないので、写真だけ撮って帰ることにします。
敷地内には削孔機が展示されています。

ここにも私らの他の観光客は一人も来ませんでした。

オーバーツーリズムとはまるで無縁の島です。
時間が少し余ったので空港へ寄ってみました。
受け付けカウンターに列ができていました。30分後くらいの便に乗る人たちのようです。

後で聞いた話によるとこの日は台風接近と前線の活発化の影響で全便欠航になったらしいです。
売店の隅にCDコーナー。知っている人は一人もいませんでした。
この時点では全便欠航を知らなかったので、空港脇の展望デッキ的な大きな東屋で次便の到着を10分ほど待ってみましたが、来なかったので、給油の後レンタカーを返却。港まで送って頂きました。

ちなみにレンタカーは3時間保険込みで3,300円、ガソリンが300円程度でした。

港に出ていたお店で名物のごまと試飲して虜になった地元の黒糖焼酎を購入。知名度では「喜界島」、島の人が飲むのは「佐蔵」だそうです。両方とも1,900円。近所のスーパーのような価格です。
観光が終わったら恒例のリドテラスでの生ビール。バスが戻る前だったので混雑前で助かりました。さらにジャンプ写真のカップルと早速再会。ジャンプ写真のベストショットを見せてくれました。

お見送りはフラダンス〜島唄&踊りでした。出港してもいつまでも見送ってくれました。暖かい見送りでした。
夜は柳家三之助の「片棒」
初めて聞く噺でしたが、非常に楽しめました。

APPはレイトショーだったのでパス。

明日の絶望的な予報はさらに悲しい現実に近づいてきているようです。線状降水帯による大雨で鹿児島県内にはすでに避難勧告が出ているエリアも出ているようです。
翌朝外はこんな様子です。雨は強くなったり弱くなったりですが、波が収まらずとりあえず種子島 西之表港への入港は断念というアナウンス。屋久島 宮之浦港への入港の可能性を待つべく島の近くで待機するとのことです。
午前の前半、「モルック」というゲームに初参加してみます。3チームに分かれ、円柱を投げるか転がすかして12本の的を倒していきます。1本倒した場合はそこに書かれている数字分、複数本の場合はその本数分が得点として加算されていきます。倒された棒は転がっていった場合も含め、止まった位置で起こされて次の投げ手を迎えます。一番早くピッタリ50点に到達した時点でゲームセットとなります。51点以上になると25点に戻り再スタートとなります。
我がAチームは第1戦、あと6点という状況で私の前の人が一発で6の棒をしとめてち。続く第2戦でもあと2点となったところでカミさんが一撃で2棒をしとめて連続勝利となりました。私は1投しか順番が回ってきませんでしたが、なかなかの盛り上がりでした。特にサヨナラ打のカミさんは相当いい気分のようでした。
ただし、残念なことに賞品はなし。
この後、マニアックそうな「民話の時間」というのに参加してみました。今回の3島の民話(1話5分程度)を次々と朗読していくという、集中力が切れた途端に眠りに落ちるという、聞き手の精神力が試されるイベントでした。終盤いびきが聞こえてきてました。
デッキでのイベントは当然中止。さらには入港もどうなるのかわからないということで、貼り紙で追加のイベントのお知らせがありました。

母はスイーツとコーヒーを求めてラウンジへ、カミさんは昼寝、私はリドテラスからバーガーとオレンジジュースを部屋に持ち帰り軽い昼食としました。

昼食後カミさんと輪投げリベンジへと向かいました。
初日の輪投げは19点以上でクリアファイルでしたが、この日は20点以上。ただ、参加者が少なく、チャレンジ回数が多かったこともあり、カミさんが2回、私は1回賞金を獲得できました。
この賞金はこのあと開催されるゲームカーニバルで軍資金として使えるとのことでした。というわけで、ゲームカーニバルへ参戦。
入場時に乗船証を示して1000ドルを受け取り、さまざまなゲームで増やしていきます。基本掛け金は100ドルです。例えば
 サイコロ3つ転がしてぞろ目が出れば5倍
 10秒間に箸で碁石を5つ以上移動できたら5倍
 トランプを1枚引き、ディーラーより大きな数が出たら3倍
 パットゴルフで1球カップインで5倍、2球で10倍
途中から母も参戦し、開始時の6000ドルが9000ドルに増えた時点で3000ドルのクリアファイル3枚と交換して終了。
ゲームカーニバルの途中だったか、宮之浦港入港断念のアナウンスがありました。3日目は終日航海となり、博多港へと戻ることとなりました。戻ると決まると雨も上がり、雲も次第に少なくなってきました。左写真は薩摩半島南西部の野間半島部分、下2枚は下甑島に沈む夕日です。

そして、メインエンタメの演者である手嶌葵が乗船できず、メインイベントまで中止となってしまいました。

夕方、マーメイドシアターでのミュージックライブラリーで「惑星」を聴き、その後は柳家三之助の「鹿政談」を聴いてから夕食へ。
真偽のほどはわかりませんが、聞いた話によれば手嶌さんは最初喜界島で乗船の予定が飛行機が飛ばず、次に屋久島で合流を試みるもかなわずだったらしいです。
目的地3島のうちメインの2島がなくなり、しかもメインのエンタメイベントまで中止となり、余りにも不憫だということで最終日の夕食時、左のようなフリー・ドリンクがふるまわれました。さらに次回以降使える1万円分のクルーズチケットが後日送られてくるという案内がありました。
前々回は隠岐の島が吹っ飛びましたし、個人的になかなかの低打率となっています。
夕食後はAPPのライヴへ。後半は歌声喫茶かカラオケボックスのような盛り上がりでした。
イベントを堪能した後、母が以前からずっと気になっている6Fの寿司バー潮騒に行くことにしました。夕食後なので軽くつまみつつ、日本酒を頂きました。

母はにっぽん丸に乗るたびに「すしすしすしすし」言ってました。対応策として今回は乗船直前に立派な寿司屋にも行ったので、もう言わんやろと思っていましたが、やはり一度行かねば気が済まないようでした。
4日目の朝、昨日の悪夢が嘘のように爽やかな天気です。この海の青さは何なんでしょう?今日以降の週間予報もしばらく良さそうですし、本当に3島めぐりの2日間のみがピンポイントで超絶荒天に見舞われるという・・・。

左奥に見える島は壱岐、右の島は福岡市西区の小呂島です。
最終日の入港直前のラストのイベントが6Fラウンジでの「マグネットクラスター」。これも初参加です。
4人対戦型ゲームです。マグネットを6個ずつ持ち、テーブル上の紐の輪の中にマグネットを一つずつ順番に置いていくのですが、他のマグネットとくっつかないように置かねばなりません。くっついてしまったらその分を引き取ることになります。最初に手持ちのマグネットを全てテーブル上に置いたらその人の勝ちとなり終了。1勝の証としてメダルをもらえます。4ゲームで1セットです。
私はカミさんと同じテーブルでの1セット目、2勝してトップだったので別のテーブルに移って2セット目。そこでも2勝してさらに別テーブルでの3セット目でも2勝して通算6勝で終了。参加40人くらいだったと思いますが、まさかのトップで賞品をもらえました。ゲームイベントに関しては初日は散々でしたが、2島が吹っ飛んだあたりからはカミさん共々絶好調でした。
マグネットクラスターで優勝した15分後に博多港入港。その30分後に下船し、午前中のうちに帰宅できました。

今回の旅ではデジカメ(RX100)を使ったのは喜界島くらいであとはほとんどスマホで済ませてしまいました。だんだんそうなっていくんだろうかなぁ。
当レポートへの感想等をお願いします。
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