1990年代

'80's CD REVIEWS 禄太郎庵TOP
90年代はFMラジオ番組「世良公則 SERA'S WAY」を毎週聴いていて,そこで紹介される音楽の中で気に入ったアーティストのCDをよく買っていました。まさに私にとってはCD購入ガイド番組でした。終了してしまったのが残念です。WEB SITEででも,またやってもらえないかなぁ。
というわけで,マイナーなバンドのCDでも積極的に購入していた時期です。そして,非常にハード・ロック系をよく聴いていた時期でもあります。
PINK CLOUD / INDEX 1990年
 PINK CLOUDでは最高傑作だと思います。J,L&Cから改名して音が軽くなったというか,上品になった感じだったのですが,このアルバムではやることやってくれてます。1曲目のALL MY LOVEから最後のUNCLE JACKまで実にいいつながりです。と思ったら,ABC順に曲が並んでいるから,このアルバムタイトルということです。
 よーしこれでPINK CLOUDもロックしていくぞー,と思っていたら,長い空白期間があり,THE PERIODという「はぁ?」というアルバムをリリースして解散してしまいました。友人Sはわざわざラスト・ライブを見に福岡から武道館まで行ったというのに,「はぁ?」というアルバム通りのライブだったそうな。合掌。
BURNING TREE / BURNING TREE 1990年
 今じゃ影も形もないトリオ編成のバンドです。多分,アルバム1枚でバイバイだったと思います。ちょっぴりジミヘンっぽい雰囲気もあり,かっこいいストレートなロックだったんですが,実に残念です。ギタリストが後にTHE BLACK CROWSに加入しました。時の流れに埋もれさせるにはもったいない名作です。
JEFF HEALEY BAND / HELL TO PAY 1990年
 盲目のギタリストJEFF HEALEY率いるブルース・バンド。“ROAD HOUSE”というかっこいい映画にこのバンドが登場するのですが,これがまた良かった!。椅子に座って,足の上にギターを仰向けに寝かせ,左手で鍵盤を押さえるような感じでフレットを押さえるという独特なスタイルも目を引きますが,彼のVoは実にいいです。その後も順調にアルバムを発表していったのですが,基本は常に「BLUES」であるため,私同様,飽きた人が多かったのか,その後はパッとしない印象でした。
DAMN YANKEES / DAMN YANKEES 1990年
 豪華メンバーで結成された,いわゆるスーパー・グループです。アルバム発表は2枚ですが,その後もメンバーの音楽的交流は続いているようでした。96年くらいに発表されたTED NUGENTのソロ作品の曲で,TOMMY SHAWやJACK BLADESが参加しているらしいのがあって,それはめちゃめちゃDAMN YANKEESの音でした。よし,この勢いで3rd製作だ!と思いましたが,STYXNIGHT RANGERも復活してしまったりもして,そのまま立ち消えの感じです。
 私が言うまでもありませんが,ロックファンなら,必聴の2枚です。
EXTREME / PORNOGRAFFITTI 1990年
 のりのりロック系のサウンドですが,SKID ROWMOTLEY CRUEと比べると音楽性の幅があるように感じます。そういうところが好きです。こういう心底「いいなぁ」と思えるバンドが短命なのは残念ですが,短命だからこそいいのかもしれません。再結成して欲しいですが,もしそうなったら悲しい結末が待っているような気もします。たった4枚しかアルバムを残していませんが,どれも名作だと思います。方向性を見失ったと言われる4枚目も結構いい作品だと思います。ただ,4枚目から聴き始めるとそんなに好きにならないでしょうが。
今井美樹 / Lluvia('89) Ivory('91) IvoryU('93) 1991年
 この頃,ハードなロックばかり聴いて,疲れていたせいか,なぜか今井美樹は相当聴きました。中和剤的な役割を果たしていたのか,それとも年齢による趣向の変化なのか?。で,いつの間にかアルバムはほとんど手元にある状態でした(太陽とヘミングウェイまでは一部のベスト,ライブを除いて全てあり)。
 アルバムとしてはLluviaが最高傑作と思います。Ivoryの2作は外せませんね。布袋プロデュースになってからも好きですが,彼女の歌声はポップな要素が強い方が似合う気がします。
 最近,ポスト今井美樹として松たか子を聴いてみるのですが,ちょっと役不足かな。
THE KNACK / SERIOUS FUN 1991年
 言わずと知れた“MY SHARONA”でお馴染みの4人組です。1stが爆発的なヒットを放ち,その余韻で2ndもそこそこのセールスがあったようですが,その後は「どこに行ったしまったの?」って感じで,いわゆる「一発屋」のイメージが強いバンドです。それが突然この年にアルバムを発表。軽快なロックンロールはそのままに,少しハードさを加えた名曲揃いの秀作です。世間に余りにも知られていないのが残念です。
 ’98年には“ZOOM”というアルバムを発表。即買いしましたが,こちらはパンチのない曲が15曲も並び,普通のロックンロール・アルバムとなっています。
THE WHOOZE / 37KARAT 1991年
 日本のハードロックバンドであるNIGHT HAWKSが覆面バンドとして,1枚だけリリースした作品。ハードロックの定番曲37曲を22分間にわたってメドレーでやってしまうという豪快かつ痛快な名作。いつの間にかCDが行方不明になってしまい(多分友人に貸したまま),半ばあきらめていたところで,偶然中古盤を発見し,購入することができました。予備にもう1枚持っておきたいくらいです。
 ハードロックファンなら死ぬまでには必ず聴いておきたい名盤です。感動間違いなし!。
NIGHT HAWKS / NO SATISFACTION 1992年
 というわけで、そのNIGHT HAWKSの3rdアルバムです。このバンドはメタルというより、ハードロック色が強く、青木秀一のパワー溢れるVoも大きな魅力です。スタジオ盤は4枚しかリリースしていませんが、どれもいい作品でハズレはありません。最後のライブはちょっと録音が悪く、あんまり聴いていませんが、ベスト盤以外全部持ってます。
 その後青木秀一は、聖飢魔Uのルーク篁・ラウドネスの沢田泰司・44マグナムの宮脇知史とKINGSというバンドで1枚のみアルバムを発表。福岡タワー下で開催されていたフリマで偶然に発見し,買いました。これもなかなかのものでした。
SKIN / SKIN 1993年
 英国から突然出てきた4人組。70年代テイストのハード・ロックが実に軽快です。全曲が素晴らしい1stアルバムで,何度も聴きました。後期プレスの日本版には何と6曲もボーナス・トラックが収録されていますが,やはりオリジナルのままがイチバンです。
 こんなにも素晴らしいバンドなのに,2nd以降は重苦しいサウンドになり,3枚か4枚で消滅してしまったようです。最後に出た2枚組のライブ・アルバムでは,1st以外の曲もまぁ聴ける感じですが,1stがあれば十分です。
HAREM SCAREM / MOOD SWINGS 1993年
 カナダのメロディアス・ハード・バンド,ハーレム・スキャーレムの2nd。1,4,5作目も相当いい作品です。Voの声質もいいし,重厚なハーモニーもいいし,薄っぺらではないメロディ・ラインもいいです。3枚目はダークで気だるい「駄作」だそうです。あちこちで酷評されているので聴いていません。ちょっと興味はありますが。その3枚目のあとはきちんと軌道修正したのですが,その後バンド名を変更してまで,軽快なポップ路線へ転向。悪くはないけど,どこにでもある感じのフツーのロックになってしまいました。その後,再度軌道修正し,’02年,’03年にアルバムを発表しています。’02年のアルバムは即買いでしたが,まぁそこそこだったので,’03年のアルバムはいまだに購入保留状態です。
EPO / EPO WORKS 1993年
 流れからすると,ロックバンドみたいですが,あの“DOWN TOWN”のエポです。80年代もそこそこファンでしたが,アルバム“FIRE & SNOW”で「もういいか」と思い,その後は聴いていませんでした。彼女自身余りメディアに登場することもなくなりましたし。で,なぜまた聴くようになったかというと,正月にとある大型レンタル店の店頭でレンタル落ちCDの100円セールをしていたのです。このアルバムは聴いたことがなかったし,過去の名曲がアコースティックでセルフ・カバーされている,ということなので,いいかな,と思い他の何枚かと一緒に購入。それが,この名作との出会いでした。
 最近は少なくなりましたが,時々中古店や古本屋で格安にて見かけることがあります。特にエポが嫌いでなければ,だまされたと思って買ってみてください。音質もアレンジもいいです。聴かないまま一生を終わるのは損ってタイプの1枚です。
PSYCHEDELIX / STAND 1995年
 CharとJimのユニットとなってしまったPSYCHEDELIXの3枚目。1stは都会風でちょっと洒落た感じ,2ndでちょっとロックしてきたと思ったら,この3枚目はそーとーロックしてます。音も分厚いです。録音もいいです。JIM COPLEYのスネアの音がカンカンしてて気持ちいいです。最終TRACKのMt.FUJIインストで確か10分以上ある曲です。これは年に1度くらい聴けばいいでしょう。最後に収録してくれてありがとうってなもんです。
 翌年に出たミニ・アルバムSMOKYも同じ路線なので,愛聴盤です。実に多くのバージョンがあるタイトル曲ですが,私としてはこのアルバムのがベスト・テイクかと思います。
KANSAS / FREAKS OF NATURE 1995年
 80年代に登場させましたが,あえてここでも取り上げます。この作品は全盛期の頃の音楽性に戻っていて,なおかつ迫力があります。ヴァイオリンのロビー・スタインハートが戻ったのがよかったのだと思います。
 立派な名作であるにも関わらず,日本版の発売は,オリジナル発売から1年たってようやくでありました。
NIGHT RANGER / FEEDING OFF THE MOJO 1995年
 ナイト・レンジャーといえば,1stアルバムDAWN PATROLが文句なく最高傑作だと思います。ここではあえて不人気というか知られていないアルバムを取り上げます。’97年のNEVERLANDできちんと復活するのですが,その2年前に中途半端に復活していたわけです。メンバーは3人だけ。CD店で発見したときは嬉しくなり,即買いでした。トリオ編成のシンプルさもいい意味で魅力になっています。また,意表をつき,PETER FRAMPTONとBEATLESのカバーをメドレーでやってしまっているのには完全にやられてしまいました。ものすごく好きな1枚です。
 しかーし,’97年にきちんと復活し,その後の活動も順調になればなるほど,このアルバムが浮いてきます(デザインも含めて)。当の3人でさえ,「あのアルバムはNIGHT RANGER名義で出すべきではなかった」などと言い出す始末。
 誰が何と言おうと,名作は名作だ!。ってことで紹介しました。
BEN FOLDS FIVE / BEN FOLDS FIVE 1995年
 これは知りませんでした。友人に教えてもらい,CD店で1曲目を試聴し即買いでした。もともとELTON JOHNBILLY JOELが好きなので,当然でしょう。めちゃめちぇ歪んだベースの音に妙なこだわりを感じてしまいます。
 2ndは信用買いをしましたが,特にインパクトを感じませんでした。3rdは聴いていません,試聴はしたかもしれませんが。
 その後,BEN FOLDSはソロになっています。結構原点回帰の音に戻っています。
STORMING HEAVEN / LIFE IN PARADISE 1996年
 珍しくFM誌の記事を読んで,買いました。メロディアス・ハード路線ですが,ちょっとプログレ風味があり,私のツボに突き刺さったようです。残念なことにその後は不明です。2ndが出た形跡はありません。一応今でも輸入盤は入手可能なようです。
松本 孝弘 / ROCK'N ROLL STANDERD CLUB 1996年
 B'Zのギタリスト松本孝弘のソロで,ハードロックのスタンダードをカバーしています。タイトルはROCK'N ROLLとありますが,比較的重めの選曲です。EDDIE MONEYの曲が入っているのも不思議なのですが,最も地味と言っていいLIFE FOR THE TAKINGが選ばれているのがさらに不思議です。ヴォーカルは主にTWINZERの生沢佑一で,あとは元VOW WOWの人見元基が数曲。ギターはもちろんのこと,さらにヴォーカルが良いだけになかなか聴きごたえがあります。B'Zもキャラメル・ヴォイス(ねちっこい声:禄太郎造語)ではないVoなら,ちょっとは聴く気になるんだけど,それじゃきっとあんなに売れないんだろうなぁ。
CHAIN / EROS OF LOVE AND DESTRUCTION 1997年
 RAINBOWのVocalであるDOOGIE WHITEのソロ・プロジェクトがこのアルバムです。Vocalが良いだけに,気持ちよく聴けます。個人的にはレインボーでのドゥギーよりもいい感じだと思います。このバンドも1枚だけですねぇ,残念ながら。
PAUL RODGERS / NOW 1997年
 SERA'S WAYで流れたのを聴いて,即買いしました。非常にかっこよくロックしてます。さすがはポール・ロジャースって感じです。後で気付いたのですが,バックのメンバーに大好きなPSYCHEDELIXのリズム隊が参加していたのです。確かに相通じる雰囲気が音に出ています。
BLUE OYSTER CULT / HEAVEN FORBID 1998年
 ’72年から活動している老舗バンドですが、はじめて聴いたのが友人から借りたこのアルバムでした。ハードなサウンドとメロディアスな展開に感動しました。
 元祖HEAVY METALバンドとも言われていますが、いわゆるメタル・サウンドではなくハード・ロック系です。作品による当たり・ハズレの差が実に激しいらしいので注意が必要です。数枚聴きましたがビシッと来るものがなかったので、ベスト盤を2枚購入しました。
THE BLACK CROWS / BY YOUR SIDE 1998年
 基本的にこのバンドの音は余り好みではないのですが,このアルバムはとても好きです。いつもの気だるさが少し抑えられた作品だと思います。ロックン・ロールとはかくあるべし,てなもんですね。
BUCKCHERRY / BUCKCHERRY 1999年
 見た目ではちょっと引きますが,音は実にストレートかつハードなロックン・ロールです。雑誌に「KISSを彷彿とさせるサウンド」みたいな表現があったので,店で試聴したところ納得しました。なかなか気持ちよく聴けるアルバムです。
 このバンドもその後どうなったのでしょうか?。
DEF LEPPERD / EUPHORIA 1999年
 美しいメロディとハードなサウンド,そして重厚なハーモニーが魅力のこのバンド。余り熱心なファンではなく,VAULTというベスト盤のみを持っていました。似たような曲が多く,退屈するのも事実なもので。
 このアルバムはどれもいい曲でHYSTERIAに並ぶ名作だと思います。名作の後だけに2002年発表の最新作にはちょっと手を出せないでいます。
こうしてみると,短命なバンドが多いですね。雑誌やラジオで情報を集めていたので,見逃さずに済んでいたわけです。
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