製作工程 その2

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 根本の部分にはこのように一巻きだけ,きつめに巻き付けます。反対側に戻ったら,同じようにします。

 い草が短い場合は反対側までたどり着かないこともあります。そういう時は普通に編むとき同様に数本を加えてやります。
 上側から編み込んだい草が終了したら,待機していた下側からのい草を登場させます。後は普通通りに編み込んでいきます。
 待機していた分のズレは,このような形で裏側の編み目に現れます。

 ただ,鼻緒の部分の編み方はいろいろあるようで,このような「時間差編み」方式はどうも少数派のようです。
 一般的な草履の場合,鼻緒は布や藁などで綯った縄状のものが多いようです。私は師匠に倣って,このような鼻緒です。(前述しましたが、2007年からは鼻緒を縄状に変更しています)
 普段は6本程度ずつで編みますが,鼻緒の中には20本以上が入っているためその半分の10本程度で編んでいくことになります。そのため、後緒の先は編み目が大きくなります。細い鼻緒の場合はそうでもありません。草履のサイズと好みによりけりです。
 もうすぐ目標の24.5cmになります。その1.5cm手前から本数を1本減らした5本で幅を絞りながら編みます。指が入らないくらいに絞っていきますので、締め付けはしません。そのため、幅を絞り始めてからさらに4cmくらい編んでいきます。ですから、編み終わり時点での全長はおよそ27cm程度ということになります。

 写真は初期の頃のものなので、絞ってから終わりまでが短いです。
 編み終わりの状態。(2008年)

 以前よりずいぶん幅を絞り、長く編むようになりました。この方がかかとの部分が綺麗に仕上がります。
 「締め」の作業です。

 片側のループを外し,手前の中央の縄を引っぱります。するとこのようになります。このまま一気に締めずに,今度は反対側を締めます。
 先ほど小さくなったループを引っかけ,反対側を締めます。ずいぶんかかとの部分が丸くなってきています。
 両側をバランス良く締めるとこのようにきれいに丸くなります。
 この時点での裏側。はりねずみのようです。

 編み始めの部分は中央に,編み終わりの部分は両端に来るようにしています。い草の端の部分は痛んでいることが多く,最後まで編まずに多めに残すことがあり,このような状態になります。
 両端の余りは切り,中央部を結ぶとこのようにすっきりします。この作業も結構時間がかかります。

 2007年以降は中央部を結ぶのは鼻緒を立てる付近のみにし、あとは2cm程度を残して切り落とすだけにしています。
 全体の裏側。いいカーブが描けています。
 鼻緒をすげる作業をします。

 二本の麻紐を芯に,幅2.5cm・長さ60cmの布でこより状に縒(よ)ります。そうして出来た紐を,真ん中を中心にして左綯いで綯います。ちなみに草履の芯になる縄は右綯いです。
 表から裏へと通します。

 裏へ通す場合,師匠は先を割った竹へらを使いますが,私はピンセットを使っています。
 つま先部分の縄をほどき,輪の部分に通し,表側に引っぱり上げます。
 鼻緒に止める部分はどうにも文章では説明のしようがありません。一度ほどいてから鼻緒に止めます。その後また左綯いをして,裏側に出す直前の状態です。
 ピンセットはこのように使います。ぐっと裏側へ引けば,きちんと裏へ出てきます。最初に通したところの少し手前の部分(縦列に)に通します。
 アップで。

 きちんと縦に並んでいるのがポイントです。

 使い始めると伸びてくるので、きつめに固定しておきます。
 正面から。

 ここはなかなか難しい部分で、最初の頃はよく間違っていました。
 裏側に戻ります。再び裏に出した紐で,もう一巻きして固定します。

 最後に余った紐の部分とほどいた縄の部分を3cmくらい残して切ったら出来上がり。
 これと同じ作業をもう一回すると,やっと一足分が出来上がるというわけです。


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