ハンドルアップスペーサーの改良 

2008.2.23

整備記録 ツーリングindex 禄太郎庵top
 昨年夏に取り付けたハンドルアップスペーサーは長距離ツーリングでの疲労軽減に大きく貢献してくれました。ただ、元々アップライト気味ポジションのTDMなので、ハンドルが「上がりすぎ」という感も否めません。半年を過ぎても乗り始めの段階では毎回違和感がありますし、ただでさえ下手くそなワインディングでは走りにくくてとてつもないへたれ走行となってしまいます。せめてハンドルがもう少し手前側に倒れてくれたらいいんですが、ケーブル類が一杯一杯でそれも無理です。

 一旦ノーマルに戻したところ、非常にいい感じだったので「このままでもいーか」と考えもしたんですが、どうにかノーマルから「ちょい上げ」的ポジションにならんものか、思案を始めました。正攻法はハンドルの交換ですが、手間と費用がかかる割には本当にちょっと(ハンドル径分くらい)しか変化しません。次に思いついたのは、今あるハンドルアップスペーサーを加工することです。金鋸でできないことはないようですが、手作業では絶対に左右に微妙なズレが生じることでしょう。そこで、金属パーツ加工を請け負ってくれる業者に依頼することにしました。
 加工前のハンドルアップスペーサー。

 業者へ依頼するメールに添付した写真です。赤い線で切ってくれるようお願いしました。

 ところが、帰ってきた返信は

 「残念ながら我が社ではお受けできません

 でした。既製品の追加工はしていないのと、安全に関わるパーツは製造責任が負えないという理由でした。
 かくなる上は自力で加工するしかないのであろうか。まぁ、ノーマルのポジションでもいい感じなので、例え切るのに失敗しても大して損失もありませんし。部品自体が小さいので、固定する方法や適したノコギリなどを調べていたとき、ふと身近な専門家の存在を思い出しました。

 身近なる専門家であるOhIkeさんに相談したところ、「バイクへの取り付けも込みで1時間もあれば」という有り難いお返事を下さいました。それで、バイクでOhIkeさん宅へ伺うつもりだったのですが、何分寒い季節のため私はなかなか動きません。対照的にOhIkeさんはしょっちゅう福岡に来られるんです。1回目(仕事で来られていた)にパーツを預け、2回目(糸島ツーリング)に完成品を受け取りました。報酬はウニ釜飯定食と相成りました。
 加工前は45ミリアップ・20ミリバックだったのが
 加工後は30ミリアップ・20ミリバックとなりました。
上の写真では13ミリカットとなっていますが、気持ち多めの15ミリ短くしてもらいました。

 バイクパーツの加工業者が出来ないという仕事を、事も無げにあっさりやり遂げてしまうOhIkeさん。しかし、本当のサプライズはここからです。
 これを預ける時に
 「微調整用のスペーサーも作っちゃろうか?」
と言われたのですが、「いえいえ、そこまでは」と答えておりました。
しかし、職人OhIkeさんはここまでしてくれたのでありました。微調整し放題です。 
 車検が終わったので早速取り付けてみました。

 ポインタを写真に乗せると加工前のスペーサーに戻ります。

 高さが加工前より15ミリ低くなるわけですが、ケーブル類の長さにゆとりができたためハンドルを手前側に倒し気味のセッティングができるようになりました。体感的にはノーマルと加工前の中間という感じです。
 この写真はノーマル(スペーサーなし)の状態です。

 ポインタを写真に乗せると交換後の写真になります

 たった15ミリ変わっただけですが、今回はいい案配です。バイクの取り回しの際の違和感がずいぶん少なくなりました。
走ってみての感想
 加工前の状態は本当に楽で、ある程度距離を走って帰ってから、また翌日の疲労が劇的に軽くなりました。ただ、不自然なポジションには半年以上経っても結局慣れることはできませんでした。ワインディングでの走りにくさは特にひどく、毎回ノーマルに戻したくなるくらいでした。ブレーキホースとケーブルの一部を延長して、ハンドルの向きを変えられれば少しはましになったと思いますが、そこまでするくらいならノーマルに戻した方がいいような気がしていました。

 そして、加工後ですが、たった15ミリ切削しただけとは思えないくらいいい感じになりました。加工後のスペーサーを取り付ける前の数ヶ月はノーマルに戻していたのでその状態に慣れていたわけですが、加工後のスペーサーを取り付けても、ノーマルのポジションが少し楽になった程度にしか感じませんでした。そして、ホースとケーブル類にゆとりがあるため、ハンドルの角度調整に自由が利くようになったのが、一番のメリットだったと思います。長距離を走ったあとの身体の疲労はノーマルの状態に近くはなりましたが、色んな意味でちょうどいい「中庸」な感じになったと思います。
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