材料(七島藺)について

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 2005年7月16日に七島藺の産地である大分県西国東郡の安岐町に行って来ました。ちょうど刈り入れ直前の様子を見ることができました。

 詳しいレポートはこちら
  収穫直前の様子 (7月16日)
  収穫の様子    (7月30日)
  天日干し作業   (2007年8月15〜16日)

 私の作る草履は,師匠に倣って七島藺(しちとうい)を使っています。

 「七島藺」は東南アジア原産のカヤツリグサ科の植物です。奄美七島(トカラ列島 = 鹿児島県十島村)から伝わったのが名称の由来だそうです。琉球い草とも呼ばれるため,琉球畳と呼ばれる畳は,七島藺から作られているわけです。最近では「縁なし畳」のことを「琉球畳」と呼ぶ傾向もあるそうですが,これは間違いです。七島藺で編まれた畳表は,琉球表・豊後表・青表(青筵)と呼ばれます。普通のい草は断面が丸く・細いのに対して,七島藺は断面が三角形で,非常に太いのが特徴です。機械化ができない部分が多く,栽培は非常に重労働となり,労働投入時間は丸藺の1.5倍,水稲栽培と比較すると6倍にもなってしまいます。そういう事情や,需要の減少などにより,現在では大分県国東半島の安岐町・国東町の四軒の農家(平均年齢70歳超)でしか生産されていない,正に絶滅危惧種となってしまっています。全ての農家の作付け面積を合計しても,熊本県のい草農家一軒分にも満たないそうです。外国では主に中国・台湾・タイなどで生産されていて,日本では3割程度が輸入品だそうです。

 東京オリンピックまでは柔道の畳に使われていましたが,その後ビニール畳が登場し,生産地が激減したそうです。丸藺の畳表と比べて大変丈夫で,ほとんど畳表の貼り替えの必要がないほど(せいぜい裏返し程度)です。現在でも琉球畳として,一般家屋や茶室の畳などとして利用されています。


 師匠は草履作りにあたり,藁(わら)や普通のい草など,いろいろな材料を試したそうです。その中で「これだ!」と選ばれたのが,この七島藺です。

 七島藺に関するリンク
   くにさき七島藺振興会
   大分歴史事典
   二豊タタミフスマセンター
   健康畳植田
   畳表の種類・特徴(株式会社 大地屋)
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