「爽草(そうくさ)」の完成まで

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 師匠の草履は「博多草履 しっとう」と言います。これは,材料の七島藺と博多弁の「知っとう?」(知ってる?の意)とをかけているわけです。

 草履を作り始めた頃から,師匠に「ブランド名を付けんといかん。考えとかな,いかんばい」と言われていました。「草履」という言葉を改めて考えてみると,そのストレートさに驚きます。「草を履く」んですから。やっぱり「草」という字は入れたいと考えました。読みは「そう」か「くさ」しかありません。

 そうしてひらめいたのが「そうくさ」。師匠の踏襲で博多弁というのが気に入り,これに決定。ちなみに意味は「当たり前だろ」や「そうに決まってるだろ」といった感じです。普通に「そうだよ」という場合は「そうたい」「そうやね」となります。
 初期の作品 2004年(5作目)

 比較的スタンダードな小判型をしています。左右の鼻緒(後緒)の位置が違っています。とは言うものの,初期の作品の中では非常に出来が良かったものです。
 11作目。

 この少し前から,足にフィットさせるために,草履の形を変え始めました。いったん広げて編んだものを途中から狭めて,後緒の位置で締めます。こうすると,鼻緒が足にフィットしやすくなるようです。
 ただ,左側は幅の変化がぎこちなく,右はかかとの部分が狭すぎます。しかし,この一作で「つかんだ」感じがしました。
 15作目。

 形には満足しています。後緒からかかとにかけて,若干広げる感じで編んでいます。
 自分としては「これにて完成」という気持ちなのですが,それでも一つ作る度に,前作より微妙にいいのが出来ています。師匠によると「完全に満足出来る物は永遠に出来ない」そうです。
 30作目くらい 2005年

 注文を受けたこともあり,子供用サイズの製作を始めました。右から15cm・19cmで,左は外国の方からのオーダーで29cmです。
 手作り品の店の方のアドバイスで作り始めたミニ草履。全長5cmくらいです。ここまでになるまでに10足近く作り,試行錯誤を繰り返しました。
 52足目  2007年

 鼻緒の中身を縄状にすることで鼻緒の強度が大幅にアップ。
 草履の裏側で床に傷が付くことを心配される方のために(我が家を含めて傷が付いたという話は聞いたことがありません),スポンジゴムを貼り付けたタイプ。  2007年

 依頼主を納得させるために貼り付けたようなものでしたが,藺草のくずが出ないこと,摩耗によるすり切れを防いで耐久性がアップすること,滑り止めという3つの効果はバカにできません。面倒な注文でも聞いてみるといいことがあるものです。また,厚いタイプのゴムを貼ったタイプも作ってみましたが強度は実用向きではありませんでした。(耐久テストの結果はこちら
室内履き用 外履き用
 68足目  2009年

 ソールの変更と、貼り付け前の一手間を加えることで、外履きにも耐えられる耐久性とクッション性が実現しました。

 詳細記事はこちら
 84足目  2010年

 この前年後半くらいからかかとの部分が細くなり、すっきりとしたフォルムになりました。
2005年の改良点はこちら。  その後も小さな改良がすすんでいます。こちらからどうぞ。
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