葬儀について

介護日誌  うさぎのうさ  禄太郎庵

2004年7月21日(水)

 「うさが死んだらどうするか」
 このことは,事故翌日の夜,危篤のような状態になった時点でヨメと少し話をしていました。大好きだった出窓の下に埋めてあげた方がいいかな,とヨメが言いました。ま,色々考えてみよう,ということで,私はネットでペット葬儀の会社を調べていました。

 その後,うさが必死に生きようとしている姿を見て,その話はしませんでしたし,ヨメも私に聞きませんでした。しかし,最期となった日の前の夜再びその話をしました。土葬したあと,虫とか微生物に食べられてしまうことを考えると可哀相なので,やっぱり火葬がいい,とヨメが言いました。私もそれがいいと思いました。でもその時は具体的な業者のこととかは話しませんでした。

 でも,翌朝のうさの様子は非常に苦しそうでした。ヨメが一人でいるときにもしものことがあったら・・・と,「もしもの時は,このフォルダに登録されている業者に 連絡をして」
と言って出勤しました。



 ヨメは午後仕事に行くことにし,葬儀は18:30で予約をしました。午後は私が家にいて,介護日誌の書き込みをしながら,時々うさを見ていました。17:00になり,お別れが近づいてきたので,うさのところに行き,一人で色々なことをうさに話かけました。一度落ち着いていたつもりだったのですが,また涙が出てきてしまいました。

 ヨメが帰ってきた時点で葬儀の時刻が迫っていたので,ゆっくりとはお別れが出来ませんでしたが,どうせぼろぼろに泣いてしまうだけでしょうから。事故の翌日,色々な介護用品を買いに行ったとき,これから歩き回れない生活が始まるから,とヨメが「かじり木」を買っておいたのですが,結局うさがかじることはありませんでした。かじり木は一緒に火葬してもらうために,持っていくことにしました。



 葬儀社です。時々通る道沿いにあるのですが,今までその存在に気付きませんでした。とても小さなところです。



 このような3畳程度の小さな部屋で葬儀は行われました。ご夫婦(?)と思われるご年輩の二人が進めて下さいました。葬儀か火葬の場面では,また泣いてしまうかも,と思っていたのですが,まったくそんなことはありませんでした。というのも・・・

 ミョーなBGMが流れてるのはいいとして,まずは女性のナレーション(小さい部屋なのでマイクなし)。「・・・愛らしい仕草で,安らぎを与えてくれた大切な 家族。その大切な家族を失ったことは ナンタラカンタラ」その後に「次に,今日旅立つ可愛い家族からの言葉です」

 ??? と思った瞬間,女性が横のCDラジカセを操作。すると,これまたミョーな男の子の声で「今日ボクは天国へと旅立ちます。今まで本当にありがとうございました。(中略)皆さんのことは決して忘れません。」というナレーションが流れてきました。本来なら大爆笑の場面ですが,実際その場にいると,何が起きたのか,よく分からない状態になりました。後で思ったのですが,これは,悲しみに暮れる飼い主の気持ちをいったん冷静にし,そのあとの火葬へスムーズに進めるための演出ではないか,と。その後,男性がお経をあげ,約10分程度で葬儀は終わりました。ダンボールで作られた棺の中に横たわるうさの手に小さな数珠とお経が書かれた紙が入ったお守り袋を持たせ,火葬へと向かいます。



 火葬は外に停めてある火葬車で行います。ここでうさとはお別れです。40分後にまた来て下さい,とのこと。

 ファミレスで軽い夕食を取り,再び葬儀社へ。先ほど葬儀を行った小さな部屋に火葬を終えたうさが置かれていました。人間の場合と同様に,先ほどの女性が「これが背骨,ここが頭,これが爪ですね」などと説明をしてくれます。小さなかけらもしっかり連れて帰ってあげて下さい,と時間をかけてとても丁寧に骨を拾わせて頂きました。葬儀はシンプルで,骨は丁寧に時間をかけて拾うことができる,あのナレーションさえなければ,非常にいい葬儀でした。私の葬儀は頼めないかな。帰る前に先ほどの女性が「毎日,たっぷりのお水を供えてあげて下さい。天に昇る者は水から気のような力を受けて昇っていくと言われていますから。」と教えて下さいました。これからもまだ私たちがうさにしてあげられることがある,ということを教えて下さり,とても嬉しく感じました。

 これまでに出席した葬儀の中で,この日が一番いい加減な服装での参加でしたが,一番悲しい葬儀でもありました。

 20時くらいに骨になったうさを連れて帰り,大好きだった出窓の,今度は室内側に骨壺を置くことにしました。


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