1日目 天草上島編

  

粟嶋神社 千厳山 高舞登山 老嶽 カヤツ丸展望台 倉岳
2日目 3日目 ツーリングindex 禄太郎庵top
今年の大型連休ツーリングの行き先は「天草」というのは、去年から決めていました。理由は2010年にDINKで行って以来もう5年も行ってないからです。DINKでは結構細かな場所まで行きましたが、その後色々なブログやサイトで行かねばならぬ場所がまだまだあることがわかりました。以前行った場所にも新しい名物ができていたり、新しい道ができていたりもしているわけです。

「大型連休ツーリング」と言ってはいますが、混雑を避け、容易に宿の確保をするため、以前から基本的に祝日や土日を避けての日程を設定しています。今年はカレンダー通りだと5/2〜6が5連休になっているので、ここは問答無用でパス。そうなると、昭和の日の前か後かということになります。週間予報を見ると4/22から10日間ずっと晴れマークが並んでいて、傘マークはひとつもなし。ゆっくり構えていると予報が急変することもあるので、4/24〜26で決定。


出発日は平日なので、割引のない高速代を少しでも圧縮するため、いつもの山越えで鳥栖ICを目指します。予定では宿到着が19時近くになるかもしれないので、少しでも早い出発をということで6:55に出発。
最初の休憩は広川SAで。

休憩と言ってもトイレと、高速を下りてからのルート確認程度です。

高速での走行は思っていたよりまだまだ寒さを感じます。ここのトイレは洗面所でお湯が出るので、とてもありがたく感じます。
松橋ICを下りて、一般道を少し北へ戻り、宇土の粟嶋神社へ。

鳥居と拝殿の間にある小さな鳥居は、日本一小さな鳥居なんだそうです。これをくぐると、いろんな御利益があるんだそうですが、脱出不能になっては洒落にならんので、自粛します。
御朱印を頂きました。

ネットで目にしたのは、超達筆でほれぼれするものでしたが、現実はそう甘くはありません。しかも印はまさかの90度左回転しているし・・・。

これはこれで「エラー御朱印」としての価値があるのかもしれません。
この神社は脇道を入ったところにある小さな神社ですが、広い駐車場やきれいなトイレや売店なども備えてあり、多くの参拝者が訪れる場所のようです。

HPを見ても、学業祈願・安産祈願・ペット供養等々、様々な御利益があるという粟嶋神社。子ども用と思われるこんな絵馬(正確には絵熊)やお守りがありました。最初の訪問地だというのに、さっそくお土産に買ってしまいます。まんまと神社の戦略に乗ってしまう観光参拝者なのであります。
時間節約のため、今回はパスしようかと思っていた長部田海床路ですが、ひょっとしたら潮の具合で海の中に並んでいる様子が見られるかと思い寄ってみたら・・・ラッキーでした。

ポインタを当てると5年前の写真になります。
到着が早すぎたのと時間短縮のため、道の駅宇土マリーナでの「網田甲いかのかき揚げ丼」を諦めて、そのまま天草一号橋〜大矢野島もスルーして天草上島へ。

甲いかのかき揚げ丼を諦めた代わりに途中の弁当のヒライでお弁当を買っておきます。天草のヒライには「ちくわサラダ」がありました!今回は買ってませんけど。
高舞登山へ向かう途中、「天草五橋が一望」的な案内板が出ていたので、急遽千厳山(162m)へ。

駐車場から延びる遊歩道脇に「登山口」と書かれていたのが少々気になりながら歩き始めます。今回のタイトルとなった「登山」の始まりです。
わりとあっさり(2〜3分で)尾根に出ます。
尾根筋は巨岩がたくさん見られます。
遊歩道は巨岩脇を進み・・・
ラストにある東屋。

展望台的なものはなく、尾根筋の至る所から左右(南北)に絶景が見られます。
唯一最奥の東屋の先からは、前方(西)の眺望が楽しめます。
千厳山からは天草五橋のうち4つが同時に見られました。視程が良ければ一号橋が見えることもあるんでしょう。
千厳山の後は本命の高舞登山(たかぶとやま)(116m)へ。

山頂への車道では、ブロワーで落ち葉を吹き飛ばす作業が行われていました。ご苦労様です。おかげさまにてビクビクせずに快適に走行できました。
駐車場で買ってきたお弁当を頂き、山頂への遊歩道を進みます。

ここでようやくウィンドブレーカーを脱ぎました。
こちらは千厳山よりもさらにあっけなく、本当にあっという間に尾根に出て、そのすぐ先が山頂展望台です。

こちらから見る天草四/五橋はきれいに横並びになっています。

巨岩と少々の歩きを楽しみたいなら千厳山でしょうが、高舞登山の方が短時間で展望台まで来られますし、山頂手前には東屋もあって、そこでお弁当というのもいいと思います。駐車場でお弁当を済ませてしまい、「しまった」という感じでした。
次の老嶽へは天草オレンジラインを通って向かいます。県道290号からわかりやすい案内通りに辿ればいいので簡単です。

ちなみにこの道は平成21年に開通しているので、前回DINKで来た時はすでに通っていたわけですが、上島の南東岸エリアを巡ったので、偶然目にする機会さえありませんでした。
全線(約23km)走ってみたいところでしたが、6km地点に老嶽への入り口があるので、オレンジラインはここまで。
アプローチは3.5km。3kmくらい上がって来たところに山頂方面への分岐があります。
上の写真の背中側にある老嶽神社。扉が閉ざされているので、賽銭を投げ入れることはできませんでした。
老嶽山頂駐車場は広々としています。アンテナ施設整備のためということもあるのでしょう、トイレもありました。
駐車場の一番奥に停めれば、歩く距離は半分程度で済みます。それくらいあっさりと山頂まで行けます。
何とも開放的な展望台。

ぱっと見には気付きませんでしたがこの展望台、東屋を兼ねる感じで、下の部分に日陰を作り、しかも圧迫感なくベンチから景色を眺めることができる優れものです。
前の二山とは標高(590m)も違いますが、スケール感がまるで違います。
展望台からの眺め。

展望台下のベンチでは、ボーッといつまでも目の前の景色をただただ眺めていたい気分になります。

天草上島では今回の4山プラスカヤツ丸展望台の五ヶ所へ、それに5年前の白嶽と龍ヶ岳を合わせた7山でどれかひとつを勧めるとしたら、私はこの老嶽を推します。家族連れであれば、全体が公園化されていて、天文台やキャンプ場も備えている龍ヶ岳がいいでしょう。
地図では老嶽神社前の分岐を来た側とは反対へと進んで正解のようですが、何となく北西岸方向へと下って行きそうな気がしたので、往路と同じ道をオレンジラインまで下り、そのままオレンジラインの下をくぐって、細道を県道34号へと進みます。

県34はオレンジラインに負けていない快走路です。
今回4つめで今日のラストである、上島最高峰の倉岳(682m)へは2009年の鹿児島ツーリングの帰路に立ち寄ったカヤツ丸展望台への入り口と共通です。
前回とは反対側から来たせいもあり、入り口を通りすぎそうになってしまいましたが、せっかくの案内板がこんな状態というのも一因なんでしょう。
6年前はTDMだったこともあり、ここの往復は結構疲れましたが、今回は二度目でもあり、軽量FAZEでもあり、お気楽に走れました。
倉岳へのルートから800mだけ寄り道をすればいいので、カヤツ丸展望台へも寄ってみます。

FAZEなので展望台下まで来ちゃいました。
老嶽ではあれだけ晴れていたのに、かなり曇ってきました。
カヤツ丸の後は、今日ラストの倉岳です。登り口にトイレもある広い駐車スペースがあり、そこから写真の赤い舗装の車道が山頂直下まで続きます。途中に一ヶ所駐車スペースと東屋があります。

写真のヘアピンカーブ中央の標柱には
「東京スカイツリーてっぺんの高さです。標高643m」
と書かれています。
車道の行き止まり部分は広く、フラットになっています。
倉岳神社の鳥居と道路開通記念碑が並んでいます。
鳥居のすぐ先に石の祠があり、そのすぐ先が山頂部分です。
山頂からの眺め。こちらは南側。
山頂から反対側に少し下ったところにも倉岳神社の石の祠があります。そのあたりからの眺め。方向は山頂からと同じです。
山頂部分に気になるものがありました。どう見ても何かにふたをしている感じです。後ろの石標の全文を記します。

倉岳霊水
昭和30年12月御所浦町出身の日本山妙法寺近藤妙有法尼が平和祈念の宝塔建立のため倉岳町を訪れた際、倉岳神社に水がないと聞き、当山頂に向かって二時間に及ぶ祈りを捧げ、霊感を得て直ちに登山し、この場所を掘り下げたところ岩間から水がにじみ出た。この霊水は未来永劫涸れることはないと法尼は言い残している。
ふたを開けて覗いてみると、山頂なのに地下水がありました。

昭和30年のことだけに、伝説的なものではなく事実そのものなんでしょう。正に不思議な霊水です。
倉岳からは南方向の倉岳町中心へと下って行きます。来た側からの上りとは違って、直線〜急なヘアピンを繰り返しながら一気に下って行くタイプの道です。

出発を早めたり、昼食を弁当にしたりして時間短縮を積み上げた結果、ラストの倉岳を出る時点で予定より2時間近く前倒しになっています。ならば・・・
倉岳町からR266を西へ。一旦本渡の一歩手前まで行きながら、そこからオレンジライン全線走破へ。実に快適なスカイラインルートでした。長崎県松浦を通る北松やまびこロードと似た感じがしました。
北岸のR324へ出たら、海岸線を再び西へ。R324で本渡へ向かうのは2000年の初泊まりツーリング以来15年ぶり。

おおっ、温泉施設が併設されてるやん!って思ったのですが、帰ってから当時の写真を見たら既にその時点でありました。しかも、その時と同じ位置にバイクを停めてるし。
道の駅のすぐ裏手のリップルランドの展望台(シンボルタワーと言うらしい)に来てみました。

平日夕方とは言え、だ〜れもいません。そして、タワー中央からちびっこ広場方面へと向かっている100mのローラー滑り台は故障のため使用禁止となっていました。

ちなみにリップルランドは平成6('94)年に完成しているので、前回私が来た時点ですでに6年が経過していたというわけです。
展望台部分はそのデザインが災いし、柱が多すぎて余り眺めがよろしくありません。

芦北の御立岬公園のシンボルタワーとよく似た感じなので、同じようにメロディベルを設置するなどして、恋人の聖地化し、南京錠だらけになった方が華やかになるかもしれません。
道の駅有明に寄った最大の理由がこれ。これは間違いなく前回来た時にはありませんでした。平成17年完成とのことなので、その5年後に完成したというわけです。

時間にゆとりができたおかげで、オレンジライン全線走破とリップルランドまでを堪能できました。これにて天草上島を完了とし、宿泊地である本渡へと向かいます。

下島へ渡る手前で給油をしたのですが、本渡瀬戸を挟んだ両側にあるGSはほとんどセルフかスタッフ給油が選べるタイプになってました。天草エリアは全体的にGSが多いので、燃料の心配は不要です。
初日の燃費は37.6km/Lでした。
前回はメイン通り沿いにある新しいビジネスホテルに泊まりました。コンビニが道向かいにあったりと便利でしたが、今回はあえて全く方向性の異なる昭和感ばりばりのリバーサイドビジネスホテル(旅館と言った方がしっくりくる)を選んでみました。

部屋に風呂もトイレもありませんが、風呂は大きくないながら足を伸ばして入れるだけの浴槽があり、トイレは1Fまで行けばシャワートイレ付きもあるし、結果的にはのんびりくつろげました。ただ、昭和の人でないと抵抗を感じる古さであることは確かです。しかし、古いけど隅々まで実にきれいに手入れは行き届いています。
入り口を入ったところ。2Fから上が客室です。
2Fに上がったところにはレトロな共用の洗面所と冷蔵庫、奥にはトイレがあります。
部屋はこんな感じ。壁に掛けられている小判の額が何とも言えません。こんな部屋なのにテレビがブラウン管じゃないのが、かえって不自然な感じがします。

ツーリング時には便利な和室だし、縁側つきです。しかも縁側には温泉宿とかにありがちな椅子とテーブルが置いてあるので、和室の最大の欠点である座りづらい座椅子に座らなくてもいいんです。

非常にいい宿でしたが、唯一の欠点はコンビニまでが遠いこと。それでもレトロなアーケード街を5分程度歩けばいいんですが。
そのレトロなアーケード街の入り口は川をはさんだ反対側。
文字通りのシャッター商店街ですが、まだまだ営業している店もあります。それよりも見ての通り、ここを通る人がほとんどいないという事実がこの商店街の未来を物語っている感じがします。
商店街付近にこれという飲食店もなく、どうしようかと考えた挙げ句、わざわざ宿から少し離れた駐車場まで行き、2km離れたファミレスへと珍しく外食という形をとりました。
(後でわかったのですが、アーケード街と反対方向へ出れば、居酒屋とか焼き鳥屋とかがありました)

宿へ戻った後、結局コンビニまで歩き、明日の朝食と今夜のビール、食後のコーヒーを買いました。
1日目のルートです。

5年前のDINKでのツーリングと合わせて、ようやく天草上島の気になるポイントをほぼ制覇できた感じがしています。

改めてこれまで天草上島で訪れた場所を整理してみます。
 矢岳巨石群遺跡(白嶽) (2010)
 永目神社のアコウ樹 (2010)
 権現鍾乳洞 (2010)
 龍ヶ岳 (2010)
 千厳山 (2015)
 高舞登山 (2015)
 老嶽 (2015)
 カヤツ丸展望台 (2009、2015)
 倉岳 (2015)
 リップルランド (2000、2015)

島内を回っていて改めて感じたのですが、天草は島なのに山頂まで車道が通じている山がこんなにもあることに驚かされます。もちろん、島だからこそ山頂からの眺めが素晴らしいということがあるんでしょうが。

前回と今回で上島を極めてしまった感で一杯になっちゃいましたんで、これからしばらく天草に来ることがなくなってしまうんでしょうか。でも、景色もいいし、程良い距離感だし、魅力的なエリアなので、きっとまた数年後くらいに来ることになるんでしょうね。

初日の走行距離は318kmでした。
2日目 その1へつづく
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